福祉の仕事は、社会に深く関わる仕事である。多くの人に福祉サービスを提供することで、社会の安定につながる。それだけに、福祉の仕事は社会に与える影響が大きい。このようなことから、福祉の仕事をするには、関連する法の知識について理解を必要とする。福祉の資格取得においても、関連法について知識が問われることがあるのだ。資格を取得することで携わることができる仕事の権限も、法律の裏づけがあってこそである。そのため、法律の規定に逸脱した作業は行うことができない。行えるテリトリーを把握した上で、行うべき福祉の仕事を実施するといいだろう。
特に、福祉施設での介護の仕事で知っておきたいのが、医療行為に当たるケアである。医療行為は、医師など医療関係者のみに許される行為だ。そのため、たとえ法の規定について知らなかったとしても、医療行為を独断で行うのは問題がある。
また、介護施設などで意識しておきたいのが、喀痰吸引や経管栄養などのグレーゾーンに当たる行為だ。これらは、医療行為と福祉サービスの区切りが難しい。近年では、法律の改正により福祉スタッフでもこれらの行為の権限が広がりつつある。ただし、トラブルを避けるためにも、福祉の仕事の中でできる行為の範囲は厳密に理解が必要だ。このような知識は、介護サービスを行っている福祉施設全体で情報を共有するのが望ましい。職場で行う介護行為をお互いに確認し、ルールに従って仕事をこなすのが確実である。